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茶師十段から教わる、極!(きわみ!)なお茶

今回の極モノは『しもきた茶苑大山』の大山泰成さん。

2018年時点で日本に13人しかいらっしゃらない茶師十段の達人であります。 そんな大山さんにお茶のことをお伺いしてみました。

レポーターはアイタイ部メンバーの石橋直樹が担当いたします。


柔らかく、楽しく、お話を聞かせてくださる大山さん 佇まいだけでお茶で一服いただいいているようにほっとさせてくださいます。


――茶葉の命と人の命に橋を渡す――

「茶師」という資格はあまりなじみがない方が多いと思いますが、無粋な表現で恐縮ですが、茶師のことを説明すると、お茶の「バーテンダーさん」というのが近いように思いました。 個人や飲食店さんが「こんなお茶が欲しい!」といったオーダーに対して、日本全国にある、とんでもない数の茶畑、お茶の種類、淹れ方、を考慮し、どう旨味や渋み、香りを残すか、感覚で調合できるそうなんです! 茶葉の命を最大限に輝かせ、人へと繋いでいくお仕事なんですね〜。





お店のご近所にある柳澤邸でのお茶の葉の種類や育て方・世田谷の茶文化のお話もお伺いしました。世田谷って昔、お茶畑がたくさんあったらしいんですよ!下北沢がお茶畑!知ってました?!



楽しそうにお話くださる大山さんに、甲斐部長はじめ、「会いたい部メンバー」も興味深々!


――お茶を楽しむための「極(キワ)」を伝授いただく!―― くらうま(以下K):大山さん、美味しいお茶の淹れ方を教えてくださいませんか?




大山泰成さん(以下O):まず、お茶における美味しさって何か?って話なんですが、お茶の美味しさの要素には甘み、渋み、旨み、苦味、粉っぽさなどの要素があって、人によってどんなものが好きか、によるんです。 それを把握した上で、

  • お茶の種類

  • お茶の量

  • お湯の量

  • 滲出時間

  • 淹れ方

で、お好みのバランスにコントロールしていきます・・・・。

K:うーん・・・。お茶の美味しさが何で構成されていて、淹れるときにどう作用するかなんて、考えたことがなかったですね!素人にはできない!はじめに美味しいと思えるお茶を飲む体験をして、自分の好みを把握した上で大山さんにどう再現したらいいのかを相談しに伺いたいですね。美味しいは人それぞれ!当たり前ですが、美味しさを極めるってそういうことなんでしょうね。キワってますねー!




K:お茶ってどう選べば、そしてどう楽しんだらいいんでしょうか?

O:選び方のひとつは、いくつかのお茶をブレンドして安定した味や旨みのバランスを売り物にしているものを購入すること。複数のお茶をブレンドすることで、狙った味がつくれ、かつ大量生産が可能なので安価で売られています。100g/¥600〜800あたりの価格帯は、売れ筋の大衆ウケをするブレンドを出していることが多いです。ブレンドで味を均一にしてしまいますから、悪く言えば特徴がないのが、この価格帯のお茶です。それに対して、100g/¥1,000〜¥1,500あたり価格帯のお茶になると、そのお店の茶師さんが農園さんや茶葉の特徴を色濃く出した単品を選んでパッケージしたものになります。

K:なるほど!100g/¥1,000〜1,500の価格帯あたりのものをいろいろと試してみるとお茶に対する興味がより深まる、ということですね。自分なりの好きなコーヒー豆を探す、といったような感覚ですね。いろいろな茶店さんを歩いて回って、ワンランク上のマニアックな楽しみ方が出来そうです。そもそも、失礼ながらお茶屋さんって、すでに製品化された卸したお茶を並べている、というざっくりしたイメージでしか認識していなかったです!多くの方が誤解されている気がします。

O:そうですね。こだわったお茶屋さんがいろいろありますから、是非ひいきにしていただけると嬉しいですね。また、日本茶独特の魅力のひとつには、コーヒーなどに比べて、気軽に産地に足を運びやすいことにもあるのではないかと思います。お茶摘みなどの体験を通して、お茶づくりの奥の深さを感じていただけると、自分にとってのお茶との関わりが豊かになっていくと思います。

K:なるほど!お茶に対する自分との関係性を含めて「お茶を呑む」ということなんですね!日本に住んでいて、日本人だからこそできる贅沢さですね。これはお茶以外にも通ずること・・・、深、いや、キワいなあ・・・。

ここで大山さんに、淹れていただいたお茶をいただく。





K:極!!!!!!!!!!!!!!

お茶が生きたまま、ずっと口と鼻の上で幸福な感覚を残し続けている。 「お茶」を、産まれてはじめていただいた!!今自分は茶畑にいる!! この香りをゆっくり感じていたい・・・。しばらく喋りたくない・・・(笑) 言葉で色々考えていたことが薄くなり、ぶっ飛んでいってしまう・・・。



これが感動の釜炒りのお茶の葉!

今回、大山さんに淹れていただいたのは釜炒りのお茶。 釜炒り茶は、蒸さずに鉄釜・鉄鍋(機械的には炒り葉機)で炒るそうです。揉捻後の乾燥工程も釜で攪拌しながら行うため、茶葉は丸みを帯びた勾玉状になっています。

緑茶というと、わたしたちがよく口にするのは煎茶。煎茶の製茶は現在では機械化されているので、一番多く生産されているそうです。

そしてより高級なものが玉露。お茶の木自体は同じだそうですが、玉露は早ければ新芽が出始めたら、もしくは茶摘みの約3週間前から日光を遮って育てるそうです。。

煎茶も玉露も、両方とも茶葉を蒸して揉みながら乾燥させたもの。釜炒りのお茶の存在を、初めて知りました!釜炒り茶は手作業でしか作ることができないので、茶葉の流通全体の3%しか出回っていません。

そして、この大山さんセレクトの宮崎の釜炒り茶が「くらうま」のティースタンドで戴けます!



――極ものさんにとっての○○――

K:お茶、感激しすぎて言葉で感想を表現できないくらいです・・・。 最後に・・・、大山さんにとってお茶とはなんでしょうか?

O:『人生そのもの』です。


K:「お茶って美味しかったんだ。」と、大山さんは私たちの暮らしの中にお茶を味わえる時間があることの豊かさに気付かせてくれました。そして、その体験を通して、大切な感覚をそっと体の細胞に残していってくれました。

それって、実はとても凄いことだと思います。

大山さんは、お父様の代からお茶と関わり続け、お子様の夏休みには茶摘みの体験をしに静岡へというくらい、生活の中心にお茶があるそう。

お茶を呑むこととは、お茶を含めた体験を呑むこと。そんな深い示唆を戴いた今回でした。 私たちのお茶との関わりが記号のようなものだとしたら、大山さん自身の内に積もった、お茶の体験は深深とした森のようなものなのかもしれません。

「お茶って美味しかったんだ。」

初対面のわたしたちにそう思わせてしまう人。

大山さんにとって、お茶とは、『人生』。

ふと、疲れたときに訪れて、その長い長い物語の一つを聴くようにまた大山さんの『お茶』を戴きたい。

是非読者の皆さまも会いに行ってみてくださいね。 素晴らしい時間をありがとうございました!



K:下北の住宅街に 上品に佇む 「しもきた茶苑 大山」2Fが喫茶スペースになっています。

お茶もそうですが、様々なメディアでも紹介されている「極!!!」な抹茶のエスプーマ(ムース)を使用した絶品かき氷も出しているそう!

絶対食べたい!!


お店に入ると、極(キワ)った数のトロフィーや賞状が。さすが極モノさんです!!


極モノさんの格言 お茶とは『人生そのもの』


今回のライター 石橋直樹 料理家。都内イタリアン、フレンチレストランで修行後、おいしい味つけの仕組みがわかる「おいしさの法則」ワークショップや、レシピを教えず、レシピから解放される『料理教室に通う前の料理教室』を開催しています。ケータリング、出張料理も可。ひょんなことからアイタイ部に参加。なぜかライティングを希望。 取材に参加したアイタイ部メンバー 石橋直樹(ライター担当)、甲斐徹郎(アイタイ部部長)、さくらいしょうこ(カメラ)、平野智子、高橋喜久代

有限会社しもきた茶苑大山 代表取締役 大山泰成 様  ・全国茶審査技術競技大会優勝、農林水産大臣賞・大阪市長賞受賞、平成12年 ・茶審査技術10段取得、平成19年 ・世田谷区長特別表彰(マイスター:茶の鑑別能力)受賞、平成20年 ・全国茶審査技術競技大会入賞8回 ・東京都茶審査技術競技大会優勝5回(平成元、5、16、17、18年)、 ・同準優勝5回(平成2、4、11、13、19年)他入賞多数 ・世界緑茶コンテスト審査員(第1回~12回)平成19~30年 ・日本茶インストラクター、日本茶アドバイザー専任講師(茶の歴史、茶の鑑定審査法) ・「ためしてガッテンこれぞスーパー日本茶格安美味!幸せ1200倍」(NHK総合、平成25/6/19)出演「ほうじ茶の魅力」を伝える。


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