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スパイス番長、 果てしないスパイスへの探究心と世界や人をつなぐプロデューサー

今回の極モノは アナン株式会社3代目メタ・バラッツさんです。

スパイス商の仕事とは何か、どんなお仕事や暮らしでのスパイスとの付き合い方があるのか、 スパイス初心者でもわかりやすいスパイスとの付き合い方や使い方なども教わりたいなと、 会社とお住まいのある鎌倉へ「極モノさんにアイタイ部」でお邪魔してきました。

レポーターはアイタイ部 平野智子が担当します。



くらうま(以下K):今日はお時間をいただきどうもありがとうございました。

お店の扉を開けたら、一面に飛び込んで来るスパイスの商品ですね。 まずは、バラッツさんのお仕事や会社のことを教えていただけませんか。


メタ・バラッツさん(以下B):会社は1954年に祖父がつくりました。でもその時は別の仕事でした。スパイスをやり始めたのは、父の代で1970年代からのことです。

ここ7-8年はスパイスをただ販売するのではなく、スパイスの使い方を知ってもらうことを意識して活動しています。月一カレーの会を横浜、代官山で開催しています。他に、スパイス講座なんかも色々な場所でやっています。

K:「スパイスの使い方を知る」というのは具体的にはどういうことですか?

B:スパイスは「味」ではなく、「香り」です。スパイスとの付き合い方はその場所や民族の文化と深い関係があります。使い方を伝えるために年に一度インドへ学びに行っています。

K:毎年スパイスの新たな知識をまさに身体を使って学びにいっているんですね!!

B:昨年は「アチャール」(インドの野菜や果物の漬物)を学びにチェティナード地方に行って来ました。チェティナード地方は、その昔貿易で栄えた場所でいろんな文化の融合(フュージョン)があり、料理もハイブリッドだと言われたりしているんです。今年はまた別のテーマで計画中です。

K:スパイスのことを探求しにいくと、歴史と地理の話になりますね。深いですね!文化交流の一端でスパイスや料理が変化していく・・  ハイブリッド料理、変化を発見したらワクワクしそうです。バラッツさんの販売しているスパイスのことをもう少し教えていただけませんか。

B:ウチの特徴は「スパイスミックス」です。父の代から、この「カレーブック」というオリジナルブレンドをつくり、レシピをつけてわかりやすくブック型にした商品を販売しています。






K:このミックス買ったことあります!これでカレーつくったことありますよ。バラッツさんの商品だったんですね。ぱっと見てそれぞれがどんなスパイスかわかりやすいですね。




B:カレーブックは「みなさんが持ってないのは何か?」を考えて考案した商品です。ブックの「スパイスとレシピ」で、あとは野菜や肉を買えばどなたでもカレーができます。 スパイスミックスを考案して欲しい。という依頼は結構あります。スパイスブレンドの仕事は色々つくってきましたよ。有名デリカやイベントに合わせて・・・こんなブレンド・・・と相談されたりします。

スパイスミックスは、スパイスを通じて世界を知ることと、それと関係して食卓を覗けば様々なものが見えて来るとも言えます。



K:スパイス初心者はどうやって使っていったら良いのでしょうか?好みのスパイスを探すとかですかね??

B:初心者は、少ないスパイスからだんだん増やしていくと良いです。スパイスは「香り」なので、インドでは塩だけで味をつけて、色々なスパイスで料理をします。「うまみ」と「こく」が日本人の好みなので、それを意識して考えてみると良いかと思います。 K:多岐に渡る活動をされている。と聞いているのですが、他にどんな活動があるのでしょうか。

B:今月末に、鎌倉の光明寺で「観桜会」に合わせてお坊さんと一緒に「根幸(こんさい)カレー」をつくって販売したりします。このお寺では大晦日にも根菜汁をつくってふるまったりしています。

他にも、鎌倉にある「まちの社員食堂」での1週間イベントの時には、私がカレーをつくるよりも、この人と一緒にやりたいな、と思えばお誘いします。ちょうど先週までやっていたのは、五島列島小値賀島の方とピーナッツカレーをつくって出しました。

K:ご近所のお寺さんや長崎の五島列島・・・本当に色んな場所や属性の方とお仕事されているんですね。お話を伺っていると、スパイスの先に人がやっぱりある感じがしますね。 B:話は尽きないので、そろそろランチのカレーでもつくりましょうか。

K:わーい、バラッツさんのカレーいただけるんですね。嬉しいです、ちょっと期待してました(笑)



B:野菜を切って・・・炒めて・・・

K:何かコツはありますか?

B:うーん、どうかな?


料理をお手伝いする甲斐部長


お昼ご飯にいただいた「チキンと山椒のカレー」

K:いただきまーす!! ほのかに、山椒の香りが美味しいです。

B:今日のカレーはレシピ化しても良いかもね。

K:まずは4/19のイベントを楽しみにしています。月一カレー部とかも「くらうま」でできたら楽しそうです。ぜひまたお願いします。

メタ・バラッツさん 鎌倉生まれ。創業62年スパイスの輸入販売を営むアナン株式会社の3代目。南インド・ニルギリの高校GSISを卒業し、スイス・ジュネーブのCollege du Lemanにてケンブリッジ大学のA Levelを獲得。その後、スペインに留学して経営学と料理を学び、帰国。北インド・グジャラート出身である父アナン・メタの元で、アーユルヴェーダを基にした料理を実践している

今回のライター 平野 智子  くらうましもきた キュレーター/デザイナー 建築設計事務所、インテリア設計・施工会社勤務を経て、2016年「Atelier はな緒」設立。 「永く使える コト・ものづくり」のための循環をつくり、「世界で一番好きな居場所をつくる」をコンセプトに、 おみせづくり・おうちづくりに携わる。くらうまでは、極モノさん企画をはじめ、イベント企画を担当。もちろん極モノさんにアイタイ部も参加。 Atelierはな緒HP http://hanao-architect.tumblr.com/



極モノさんの格言

「スパイスは名脇役」 主役は人・素材・地域など、スパイスを通じていろいろなところとつながる

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